r-03 マンションのリフォーム

できること

 マンションのリフォームは、戸建てと違ってできることに限りがあります。

マンションには「専有部分」と「共有部分」という区分けがあり、居住者所有となる「専有部分」がリフォームできる部分で、「共有部分」(構造部分と外観に関係する部分)の工事はできません。共有部分でなければ、基本的にリフォームは自由です。

壁紙などの仕上げ材を新しくすることだけでなく、構造に関係のない間仕切り壁を壊して、間取りを見直すこともできますが、キッチンや浴室や便器などの水場の位置を変えるときには、事前に配管経路を確認しておく必要があります。
また、照明器具やエアコンを増やすこともできますが、建物全体の許容電力から上限があったり、配管のために外壁に穴を開けることへの制限があるので、計画段階で管理組合等に問合せたり、建物内ですでにリフォームをした人がいれば、いろいろ聞いてみましょう。

できないこと

 外観に関係する「玄関扉」や「サッシ」は室内と接していることで専有部分と思われがちですが、他の住人とも共有する外観という観点から交換も塗装も不可のところが大半です。
ベランダは避難通路としての役割もあるため、通行できなくなるようなものを置くこともいけませんし、建物の躯体にあたる柱やスラブ(上下階の床)と界壁(隣の家との間仕切り壁)、建物によっては室内の間仕切りがコンクリートになっているものもあり、これも手が出せません。

また、専有部分であっても「管理規約」を設けているのが一般的で、特に上下階の音に関係する床材は制限があったりします。
古いマンションの床材は、下階への音や振動を緩和させる目的などからカーペットが多いのですが、ハウスダクトの問題や掃除のし易さなどからフローリングに直すケースが増えました。その結果、物を落とした時の音や、ちょっとした足音も響くようになり、近隣とのトラブルが増えた結果、新たにフローリングにするときには一定値以上の防音性能をもったものでないといけない、ということです。

このように専有部分であっても、使う材料に制限を設けているところもありますので、リフォームするときには、事前に管理組合へ問合せることが必要です。

法規や規制など
 マンションのリフォームに関わってくるのが、所有権を定めた「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」です。
所有者だけが利用できるのは「区分所有権」と呼ばれる「専有部分」で、それ以外は「共有部分」となり、勝手に工事してはいけません。しかし、法律では具体的に専有と共有の境を示してはいないため、詳しくは各マンションの管理規約を確認することになります。