r-05 快適性

収納 

本屋さんに行ってインテリア関係の雑誌を見ると、その多くは収納特集です。
快適に暮らす=収納テクニック、というくらいに収納への感心は高く、いろいろなアイデアが雑誌を賑わしています。

床下や天井裏はもちろん、家具と家具との間、階段の下、外断熱であれば壁の厚み部分も収納のためのスペースと活用されたり。物が部屋に溢れているより、どこかに仕舞えてすっきり暮らせるほうがいいと誰もが思いますが、細かな収納部分がたくさんあっても、何がどこにあるのかが煩雑になって、かえって物が片付かなくなることもあります。

収納量も必要ですが、それよりもまず大切なのは分かりやすさではないでしょうか。今まで使われていないデッドスペースを、収納のために使うことは良いアイデアですが、まずは本当に必要なものかどうか持っている物を整理して、そらから具体的なリフォームに進むのがいいと思います。

使い勝手 

使い勝手が気になる項目でよく出てくるのはキッチンです。
食材を出して~洗って~料理して~盛り付けて~配膳する、という流れがうまくできないと、無駄な動きが多くなります。何人かと一緒に料理しようとしても、人がぶつかってイライラしたり、扉の開く方向が動きと逆だと、いちいち体をひねらなければ物が出せなかったり。

また使い勝手は、使用頻度の高いキッチンなどの家具関係だけではなく、間取りにも関係してきます。
時間帯が重なる洗面所や便所では、それぞれの位置関係や最低限のスペースを確保していないと、朝からイライラすることになりますし、部屋の扉の開き勝手が悪いと、開けたら人にぶつかったり、常に開けておく扉だと通路が狭くなってしまったり。

このように、使い勝手の善し悪しは、快適性を左右する大きな要素です。
人には慣れるという能力がありますから、どんなに使い勝手が悪くてもそれなりに使いこなすことはできますが、小さなストレスでも積もり積もれば大きくなり、そこに暮らす人たちの人間関係にも影響を及ぼしかねません。使い勝手をよくしたい、というのはリフォームを考えはじめる大きな切っ掛けです。

居心地 

 家はリラックスしたいところですから、心地良くしたいものです。

気に入ったものを飾ったり、座り心地のいいソファーに座ってTVを見たり。
しかし、絵や置き物を飾りたくても飾る壁や棚がなかったり、ソファーを置きたくても狭かったりと、諦めている方が多いと思いますが、部分的に部屋の大きさや壁をつくり直すのは、思っているほど大工事ではないかもしれません。

それと、けっこう忘れられがちな浴室。タイル貼の寒いお風呂をユニットバスにするのが主流ですが、戸建てのリフォームであれば、湯船に入りながら外の緑が見えるようにしたり、隣の家しか見えないのであれば、窓をつくり直してお月さまや夜空を見るようにしたり、浴室が心地良いと嬉しくなりませんか。

それと、お金をあまり掛けないで心地良さをつくるのであれば、照明を見直すのも手です。
好みは人それぞれですが、一般的に、隅々まで明るくなる青白い蛍光灯よりも、赤みを帯びた白熱灯のほうがリラックスできます。また、照明の位置を低くするだけでも落ち着いた雰囲気をつくり出せるので、電球を変えるだけでも試してみてはいかがでしょう。

どんなインテリアが自分にとって心地良いのか、からリフォームを考え始めてもてもいいのではないでしょうか。