家族構成は常に一定ではありません。 夫婦二人だった生活に子供が加わり、小さい頃は両親と一緒に寝ていても、年頃になると個人的なスペースが必要になったり、別に暮らしていた親との同居ともなれば、根本的に間取りを見直さないと対応できないでしょう。 このようなとき、今までは一軒家なら建直し、マンションなら住替えといった解決方法が主流でしたが、最近はつくる側がリフォームに積極的に取り組むようになってきたことや、住まい手の意識も新築一辺倒ではなくなってきたことから、リフォームで対応する方が増えてきました。 |
子供のためのリフォーム |
子供部屋を早い時期から与える欧米とは違い、子供が小さい頃は親と一緒、というのが代表的な日本の住まい方です。 襖や障子だったところを壁で塞げば、簡単に個室になりますが、そうすると通路が確保できなくなったり、大人の居場所がなくなってしまったり。そもそも家をつくる時代の価値観が違うのですから、時代が変われば家全体も見直す必要があります。 必ずしも子供部屋=一人一室ではありません。兄弟が同性であれば大きめの部屋を共有できますし、異性の場合は寝るところは別でも、共有のスタディースペースを居間などの家族の居場所に設けたり、家族とのコミュニケーションを考えたケースも増えてきました。 雑誌やTV番組を見れば、いろいろな子供部屋を見ることができますが、それはその家族が考えたもので、必ずしも自分達に合うプランでないかもしれません。 |
二世帯同居のためのリフォーム |
介護や経済性のためだけではありませんが、どちらかの家を改装して親と一緒に住むケースが増えてきてます。 双方の違いを理し合うのが建て前ですが、同じ屋根の下で毎日暮らすことになると、分かっているけれど気になることは気になります。家の広さや予算にも依りますが、ポイントになるのは起きている時間帯の違いから生じる不具合です。 若い家族の生活時間帯はどちらかといえば夜型です。親が休む時間に、ご主人が帰宅して夕食ということも少なくないでしょうし、逆にまだ寝ていたいと思っていても親が起きてきたり。この時間帯の違いをうまく間取りに反映させないと、お互いに気を使って窮屈に感じながら暮らすことになりかねません。 二世帯同居というのは何人もの大人が当事者になり、それぞれが意見を主張し始めると収集がつかなくなります。夫婦二人でも意見をまとめるのは大変なのですから、二世帯同居の場合は、設計者や建築会社などの第三者を間に入れながら進めるのがいいかもしれません。 |
家族構成が減ったときのリフォーム |
親がいて子供がいて、家はMAXの家族構成で考えられていることが多いのですが、親が他界し、子供が独立すると、狭いと思っていた家に夫婦二人ということになります。 使っていないスペースを自分達のために、例えば、寝室からつながったウォークインクローゼットをつくったり、趣味のためのワークスペースや書斎を考えたり、構造さえ許せば他の部屋とつなげて広く使うなど、自分達のしたいこと中心にカタチにできるのですから、規模は別として考えてみてはいかがでしょう。 |
減築 |
今までの家づくりは、それこそ言葉通りに「つくる」ことでしたが、家族が増え、生活も豊かになるにつれて物も増え、人がくつろぐためにあるはずの家は、いつの間にか物置のようになり、子供の成長と共に必要だった部屋は、独立後は使われないまま、納戸の状態で保たれているお宅が少なくありません。 昼間でも雨戸を開けない部屋のある家は、まるでシャッターの下りた商店街のようで、なんだか悲しく見えます。 |